混浴の川の温泉がワイルドすぎる【奥那須温泉・大丸温泉旅館】温泉編|宿泊

こんにちは!ブログ管理人・福島県在住のすみれです。今回は福島県を飛び出して隣の栃木県・那須方面へ行ってきました。宿泊先は栃木県内でも指折りの老舗温泉旅館「大丸温泉旅館」です。源泉かけ流しの良質泉なのはもちろんのこと、エンタメ性のある湯浴み体験ができるのが魅力です。

 

川のように流れる温泉を岩石でせき止めた絶景露天風呂「川の湯」は、想像以上に川そのものでした。少し間隔があいた棚田のような形状になっていて4つの岩風呂が下流に向かって点在しており、最上流の女性専用露天風呂より下部は3つの岩風呂は混浴エリア(湯浴み着着用)になっています。

 

観光スポットや飲食店が並ぶ那須中心地からも近く、日帰り入浴も可能。那須ロープウエイがある茶臼岳の麓にあるため、登山の拠点にも最適です。

 

  • 湯量豊富な100%源泉かけ流し
  • 温泉が川になった複数の露天風呂
  • 混浴露天風呂は無料の湯浴み着着用
  • 「日本秘湯の宿を守る会」会員宿
  • 日帰り入浴可(11:30~14:30受付、1,000円)
あわせて読みたい

こんにちは!ブログ管理人・福島県在住のすみれです。今回は隣の栃木県那須温泉の老舗旅館「大丸(おおまる)温泉旅館」宿泊レポートの食事編。食事会場や料理、ドリンクメニュー、食事開始時間など写真多めでご紹介します。 先に[…]

あわせて読みたい

こんにちは!ブログ管理人・福島在住のすみれです。栃木県の奥那須温泉「大丸(おおまる)温泉旅館」の温泉編、食事編に引き続き、今回は館内施設&客室編のレポートです。 温泉の川をそのまま野天風呂にした混浴露天風呂が名物の[…]

奥那須温泉「大丸温泉旅館」について

標高約1,300mの茶臼岳の麓に位置する「大丸温泉旅館」は創業200年以上を誇る那須温泉郷の最奥の一軒宿。古さを全く感じさせない館内はシンプルな和の空間になっていて、どこを見てもリニューアル直後のようにキレイです。

 

本館・別館あわせて総客室20室のしっぽり系旅館で、足湯付き特別室などバリエーション豊富な客室があります。

 

温泉について

泉質

歴代館主が守り続けてきたという源泉は那須御用邸へも引き湯されている由緒ある源泉です。クセのない無色透明の単純泉で、源泉温度70℃。浴槽によってはぬるめの源泉との混合泉のようですが、いずれにしてもpH7.5前後の弱アルカリ性で、化粧品などに配合される保湿成分の一種であるメタケイ酸の含有量が高いのが特長です。加温・加水・循環ろ過なしの源泉は館内で飲泉も可能で、胃腸病に効果があるそうです。

 

大浴場

内風呂は男女各1、露天風呂は3種の岩風呂がある混浴エリア(終日)に加えて女性専用の露天風呂が2つあり、さらに貸切風呂(内風呂のみ・宿泊者限定)も1つあります。

 

露天風呂を含むすべての浴槽は夕食時間以外ならいつでも入浴できます(深夜~早朝もOK)。仲居さんから丁寧に説明があったにも関わらず時間の詳細は忘れてしまいましたが、なにやら夕食の間にお風呂清掃をするとの話でした。私は夕食後少し休んで大浴場にいきましたが、すでに何人もお客さんがいたので、おそらく清掃時間は18:00~20:00くらいだと思います。

通路に掲示された館内の温泉マップ

上記写真の水色ベースに湯の名称が記された箇所が各湯船で、左上が上流にあたります。混浴露天風呂というと一度着替えて屋外に移動する秘湯が多いですが、ここは内風呂からそのまま行けるので楽ちんです。

※大丸温泉旅館の温泉スペースはスマホ等での撮影不可のため、下記浴槽の紹介は公式サイトより画像を引用させていただきます。

内風呂(桜の湯・女湯)

湯口から源泉が大量に注がれるキレイな女湯・内風呂

出典:大丸温泉旅館 公式サイト

女湯の内風呂「桜の湯」は20人程が余裕で入れる大きめの湯船で、湯口から大量の高温源泉が流れ込み浴槽の縁からオーバーフローしています。湯触りはまろやかで肌にまとわりつくような感じ。体感温度43℃くらいとやや熱めでしたが、露天風呂と比較すると湯温が安定しているので長湯するときはやっぱり内風呂が最適でした。唯一の洗い場はここで、カランは8つ程ありシャンプー、コンディショナー、ボディーソープなど必要なアメニティも設置されています。

 

混浴露天風呂(川の湯)

混浴の露天風呂は3つの岩風呂(白樺の湯・あじさいの湯・あざみの湯)で構成されていて、すべてあわせて「川の湯」と名称されています。

 

混浴ゾーンの露天風呂では男女ともに湯浴み着着用が必須です。宿泊の場合は客室にあらかじめ湯浴み着1着が用意されていますが、脱衣所にも湯浴み着が置いてあるため何度でも新しい湯浴み着を使用することができます。

 

女性用の湯浴み着はキャミワンピのようなデザインで長さはややヒザ上くらい。バスト上部のゴムがかなりしっかりしていて、落ちる心配はありません。濡れると肌にぺったりついて身体のラインが出るのは避けられませんが、それよりもお湯に浸かる瞬間と立ち上がる瞬間に裾がまくり上がるのが気になりました。とはいえ、この日は女性客ばかりだったせいか結局男性と混浴体験することはなく、無敵状態でワイルドな露天風呂を楽しめました。ちなみに、男性客はハーフパンツ型の湯浴み着が用意されています。

 

白樺の湯

山の傾斜沿いに広がる緑に囲まれた最も大きな混浴の露天風呂

出典:大丸温泉旅館 公式サイト

最も下流に位置する「白樺の湯」は3つの混浴露天風呂のなかで一番広いメインとなる岩風呂。ちょっと浅めで、50人くらい入れそう。

 

湯口や岩の隙間数カ所から高温源泉が流れ込み、場所によってはかなり熱いです。熱湯すぎるので湯口は触らない方が賢明です。足元はじゃがいもサイズの石で埋めつくされている上、たまに足裏が痛い石があるため歩きにくく、私は適温ポジションを探すまで2分程かかりました。湯船内を移動するときは、熱い!痛い!の繰り返しで、それはそれで面白かったです。

 

あじさいの湯

大きな岩石で囲われた野趣あふれる中段の混浴露天風呂

出典:大丸温泉旅館 公式サイト

「あじさいの湯」は3つの混浴露天風呂の中流の位置にあります。8人程度のサイズで、浴槽の底は自然に流れ込んだと思われる砂利や小石で埋めつくされています。湯口付近は高温ですが、割と快適な湯加減でした。足裏で受ける砂利の感覚は、まさに川そのもの。

 

あざみの湯(冬季閉鎖)

緑と柵で囲われた上流に位置する混浴の岩風呂

出典:大丸温泉旅館 公式サイト

混浴の最上部にある「山ゆりの湯」へは、ふくらはぎ辺りまでお湯に浸かったまま湯の中の階段を上っていきます。視界の悪い夜でも手すりがあるので安心です。20秒もかからない距離ですが、沢登りのようでワクワクしました。

 

冬季(12月18日~4月中旬)は雪のため閉鎖とアナウンスされているものの、私が訪れた4月上旬は幸運にもすでに開放されていました。10人程の大きさで、湯口付近を除けば外気と相まってちょうどいい湯加減です。この岩風呂は小石が多め。敷き詰められた石の種類はどうでもよいのですが(笑)、岩風呂ごとに足裏の感覚が違うので気になってしまいます。

 

女性専用の露天風呂

女性専用の露天風呂は2つあります(冬季は1つのみ)。インパクトが強い混浴風呂も良かったですが、私は女性専用風呂の方が好みです。開放的すぎる混浴よりも、じっくりゆっくり長湯できる気がしました。

 

石楠花(しゃくなげ)の湯

新緑が美しい木材の屋根がついた女性用露天風呂

出典:大丸温泉旅館 公式サイト

内風呂から外に出て10段くらい階段を上ると「石楠花の湯」があります。野趣あふれる混浴の岩風呂とは異なりモダンな雰囲気で、屋根の下、目と鼻の先に広がる自然風景が楽しめます。ちょっと熱めなものの、約10人サイズの浴槽は全体的に湯温がにムラがなく浴槽の底がフラット(タイル状の石)なので落ち着いて湯浴みできました。

 

山ゆりの湯(冬季閉鎖)

山の緑に囲まれた最上流に位置する女性専用露天風呂

出典:大丸温泉旅館 公式サイト

4月上旬の宿泊でしたが冬季一時閉鎖の「山ゆりの湯」も入浴できました。裸のまましばらく通路を進んだ最も上流に位置する露天風呂で、混浴ゾーンよりも上部に位置します。そのせいか、草木の距離が近く奥深い山の雰囲気たっぷり。静寂さ漂う夜間の入浴は、まさに山の中にいると五感で体感できます。ここに来られて良かったなと、しみじみ旅情にふけってしまいました。

 

 

10人程の岩風呂の底にはじゃがいもサイズの石がゴロゴロしていて、高温泉が流れる2つの湯口のほか、周囲の岩からもわずかながら源泉が出ています。他の露天風呂よりもやや温度が低めでちょうど良く、屋根はありませんが三方が自然と柵で覆われているので安心感のある空間でした。

 

貸切風呂「相の湯」(宿泊者限定・無料)

白と小豆色の品のある暖簾がかけられた貸切風呂の入口

女性大浴場の入口横には宿泊者限定の貸切風呂「相の湯」があり、空いていればいつでも無料で利用できます。1泊2日の滞在中に3度のぞいてみましたが、いずれも使用中でした。予約制ではないため都合よく利用するのは難しいかもしれません。

 

飲泉所

湯口に大量の湯の花の結晶が付着した飲泉所

フロント近くの通路沿いには「飲泉所」があり、ちょっと温かい源泉と通常の冷水が設置されています。源泉は胃腸病に効果があるそうで、軟水ミネラルウォーターのような味で飲みやすかったです。夕食・朝食ともに量が多めだったため私は通りすがりに何度も利用してしまいました。

 

その他施設情報

エレベーター横に置かれた白色の100円ロッカー

1階エレベーターホール付近にはコイン式の鍵付きロッカーが設置されています。脱衣所内にもロッカーがありますが、そちらは全て無料で利用できます。

 

通路の裏手の小さなスペースに並ぶ自動販売機

1階コイン式ロッカーの裏手にはソフトドリンクやビールなどの自動販売機のほか、両替機があります。両替機は有料ロッカー用ということでしょうか。

 

機のテーブルやイスが並ぶモダンなラウンジ

日帰り入浴客が湯上り休憩所として利用できるラウンジもあります。木材を多用した和モダンな空間で、奥にはかつて毎年湯治に訪れていたという乃木希典将軍ゆかりの品々が展示されています。

 

感想まとめ

歴史ある温泉宿でありながら現代風のサービスや快適さをうまく取り入れた「大丸温泉旅館」は、温泉に特別関心がない方でも温泉通でも満足できる良質な温泉宿だと思います。特に印象深かったのは、3つの岩風呂が並ぶ混浴露天風呂「川の湯」。昔ながらの湯治場の面影を感じられるうえ、沢登りのようなエンターテイメント性があるのが面白かったです。

 

湯船の数が多くて日帰り入浴では存分にゆっくりできないので、可能であればぜひ宿泊を。早朝や夜のひと気が少ない時間帯の露天風呂は格別です。食事も客室もホスピタリティも良く、個人的には自信を持ってお勧めしたい宿となりました。30回くらい宿泊しているという常連客の方や那須塩原駅から無料の路線バス(予約制送迎サービス)で来た一人旅の方にもお会いしました。1泊2食付きで2万円程度と決して安くはありませんが、私は楽天の春&夏旅割引クーポンを利用して一人2,000円近くお得に予約できました。

 

奥那須温泉「大丸温泉旅館」基本情報

住所栃木県那須郡那須町湯本269
電話番号0287-76-3050
日帰り入浴定休日不明(公式サイトの日帰り入浴営業日を要確認)
日帰り入浴時間11:30~14:30受付(15:00終了)
日帰り入浴料金大人1,000円、こども(3歳~小学生)700円