天然温泉が自慢のノスタルジック民宿【押立温泉・国民宿舎 さぎの湯】日帰り

こんにちは!ブログ管理人・福島在住のすみれです。3月下旬に猪苗代・磐梯山の麓にある押立(おったて)温泉「国民宿舎 さぎの湯」で日帰り入浴してきました。この辺りで100%源泉かけ流しの日帰り入浴ができるのは、私が知る限りここだけ。露天風呂はありませんが、一人旅でも8,000円ちょっと(1泊2食付)で利用できる便利な民営の国民宿舎です。

 

表磐梯といわれる猪苗代湖のほど近く、登山やスキーなどアクティビティの拠点に最適な立地にあり、歴史名所が点在する会津若松、五色沼など自然豊かな裏磐梯へも車で30~40分程。外遊びを楽しんだ後や、観光、ドライブ途中にふらっと立ち寄れます。

 

  • ノスタルジックな温泉民宿
  • 100%源泉かけ流し(完全放流式)
  • 登山、スキーなどアクティビティの拠点に便利
  • 猪苗代湖、裏磐梯、会津若松へのアクセス良好

 

押立温泉「さぎの湯」について

日本百名山の磐梯山が一望できる押立温泉までの道のり

「さぎの湯」は日本百名山のひとつ磐梯山(ばんだいさん)の麓にあります。県道7号を曲がり林道を抜けると、磐梯山の輪郭までくっきり見えてきます。近隣には牧場やブルーベリー畑が広がり、ぽつりぽつりと民家がありました。田舎らしいのどかな風景に癒されます。

 

国民宿舎さぎの湯へ向かう道中にある自然豊かな分岐点

二股に分かれた分岐点に「押立温泉」の看板があります。押立温泉には3つの宿がありましたが、2021年4月現在営業しているのは、さぎの湯のみ。「山形屋」は閉館、日本秘湯を守る会会員宿の「住吉館」はリニューアルのため休館中です。住吉館公式サイトによると、なにやら建設会社とのトラブルに巻き込まれ工事が進んでいないようです。

 

押立温泉の開湯は1856年(安政3年)。裏山で自噴した温泉に浸かっていた動物たちを追い払って(方言で「おったてて」)人々の湯治場になったことから「押立(おったて)温泉」という名称になったそうです。

 

ちょっと裕福な民家のような雰囲気のさぎの湯の外観

分岐を左に進んだ突き当りに今回訪問した国民宿舎 さぎの湯があります。2階建て、総客室16室、エントランス前には小さな日本庭園があり、ちょっと裕福な民家のような佇まい。

 

色彩豊かな民芸調の飾りが多いロビーとラウンジ

館内は民芸調の装飾で彩られノスタルジックな雰囲気。3月下旬ですが猪苗代はまだ肌寒いため石油ストーブがついています。

 

訪問前に日帰り入浴について問い合わせたところ、この日は1つの大浴場しか入れないので異性の先客がいなければすぐ利用できるとの返答でした。平日なので誰もいない思っていたのですが、私が到着する直前に男性ひとり客が入ってしまったとのこと。ラウンジで座って待っていると若女将さんらしき方がわざわざお茶を出してくれました。家族経営の温かいおもてなしが嬉しかったです。

 

西日が差し込む懐かしい雰囲気の玄関付近

こちらはラウンジから見える玄関入口。静まり返った館内に時折こどもたちの声(孫?)が聞こえてきたり、レトロな柱時計があったり、この空間だけ時間が止まっているみたい。常連らしきおばあちゃんたちの姿もありました。

 

ラウンジ横に設置された古い鍵付きロッカーと自動販売機

ラウンジ横には小さめのロッカー(無料)、自販機があります。脱衣所にロッカーはないので、お財布など貴重品類はこちらへ。

 

温泉について

鮮やかな暖簾がかけられた大浴場入口

大浴場は内風呂のみ、男女各1つずつですが、このときは何らかの理由で男湯は使用不可。

 

泉質

さぎの湯の脱衣所内に掲示された温泉分析書

開湯当時の自噴した硫黄泉は設備不良で使用できなくなったため、現在は「猪苗代リゾートホテル」から引き湯されています。泉質は弱アルカリ性の単純温泉、源泉温度47℃、pH7.7。メタケイ酸がやや豊富なのでモチモチの美肌効果も期待できますね。

 

ちなみに、猪苗代リゾートホテルはコロナの影響によって2020年4月中旬以降ずっと休館しています(2021年4月現在、公式サイトにて確認済み)。

 

天然温泉ということを明示する額縁入りの貼紙

大浴場前の通路には加温、加水なしの天然温泉ということが掲示されています。宿の方に確認したところ、循環ろ過、塩素消毒もしていないとのこと。神経痛、関節炎などの効果があるため、登山やスキーといったアクティブな一日の最後に最適ですね。

 

大浴場(内湯のみ)

簡素で小さなウッディー調の脱衣所

脱衣場は5人くらいが一度に入れる小さめサイズ。

 

小さめの青いドライヤーが置かれた2人分仕様の洗面台

洗面台に化粧水などのアメニティはありませんが、ドライヤーは設置されています。ドライヤーの風量はやや弱めなので宿泊予定のロングヘアの女性はドライヤー持参の方が良いかもしれません。

 

ブラウンのタイルと白い壁の家族風呂のような女湯

ほんのり硫黄臭漂う長方形の大浴場は6名程が一度に入れる家族風呂のよう。適度な古さがあり、いかにも民宿!といった感じです。窓が2か所あるので明るくていいですね。

 

ところどころ緑の苔で覆われた源泉湯口

苔むした岩の隙間から流れるフレッシュな源泉は触ってもそれほど熱くありません。44℃くらいでしょうか。少し口に含んでみたところ、やや苦味を感じました。

 

四角いタイルにたっぷりと注がれた無色透明の単純温泉

タイルの影響で黄褐色を帯びたお湯に見えますが、実際は無色透明です。体感温度41℃くらい、さっぱり&マイルドな質感で心地よさ抜群。貸切状態だったため、誰かの家のお風呂に入っているような気分に。

 

最低限のアメニティが置かれたシンプルな洗い場

カランは4つ程あり、リンスインシャンプー、ボディーソープが置いてあります。やや弱めの水圧でした。

 

感想まとめ

特徴のない単純温泉ですが、長湯できて体の芯からじっくり温まるお湯でした。猪苗代周辺でアクセスしやすい100%源泉かけ流しなので、ぜひ再訪したいと思います。建物や施設が古いので好みは分かれるかもしれませんが、家族経営ならではの穏やかな空気感がとても心地良かったです。

 

今回は日帰り利用でしたが、宿泊の際の食事は自家栽培の野菜や自家製味噌を使った手作りの郷土料理だそうです。さらに、安くて温泉自慢の民宿なだけに実は湯治プランもあるようです。楽天やじゃらんなど旅行サイトにはそんなプランはないようなので、気になる方は直接電話で問い合わせてみてください。

 

押立温泉「さぎの湯」基本情報

住所福島県耶麻郡猪苗代町大字磐根佐賀地2557
電話番号0242-65-2515
定休日不明
日帰り利用時間10:00~16:00
日帰り料金大人500円、こども(3歳~小学生)300円