こんにちは、ブログ管理人・福島県在住のすみれです。今回は福島県の南端(茨城県に隣接)にある湯岐温泉「山形屋旅館」の宿泊レポート・温泉編をご紹介します(訪問:2022年5月中旬)。
お目当ては足元湧出の混浴の岩風呂。口コミ評価が高く、ずっと気になっていた温泉にやっと入湯できました。自噴源泉がそのまま湯船になった貴重な温泉なので、温泉好きなら一度は訪れてほしい本物の湯治宿です。
食事少なめの湯治プランなら土日でも10,000円以下、そうじゃないプランでも1万円ちょっとなので、湯治ビギナーにもおすすめです。
- 100%源泉かけ流し
- 足元自噴の天然岩風呂
- 混浴(女性時間あり・専用湯あみ着可)
- 貸切風呂あり
- 日帰り入浴(岩風呂8:00~19:00、1時間500円)
こんにちは、ブログ管理人・福島県在住のすみれです。今回は福島県の南端(茨城県に隣接)にある湯岐温泉「山形屋旅館」の宿泊レポート・食事編をご紹介します(訪問:2022年5月中旬)。 利用したプランは朝夕品数少なめの「[…]
こんにちは、ブログ管理人・福島県在住のすみれです。今回は福島県の南端(茨城県に隣接)にある湯岐温泉「山形屋旅館」の宿泊レポート・施設&客室編ご紹介します(訪問:2022年5月中旬)。 建物は全体的に古びた印象はあり[…]
湯岐温泉「山形屋旅館」について
阿武隈山中の久慈川(くじがわ)沿いの標高約500mに位置する湯岐温泉。読み方に悩みますが、湯岐「ゆじまた」と読みます。宿泊施設が3軒のみの小さな温泉郷で、泉質が評判(源泉かけ流し)の山形屋旅館と和泉屋旅館、少し離れた場所に大規模な温泉施設・湯遊ランドはなわ(循環ろ過)があります。
私は自家用車で細い山道を通って、山形屋旅館へ向かいましたが、車がない場合は水郡線磐城塙駅から無料送迎も可能です(要事前予約)。
上記写真の看板に記載された「井桁屋旅館」は残念ながら近年閉館。
山道を入って最初に見えてくるのが「和泉屋旅館」。浴槽のすぐ横から自噴源泉が湧き出ている混浴の「鹿の湯」がある湯治系旅館で、必ずいつか泊まりたい宿のひとつ。
山形屋旅館と比較すると、設備などがほんの少しワンランク上のイメージ。といっても、1万円ちょっとなのでこちらも安いですが、地元の黒毛和牛・はなわ牛ステーキの料理なんかも味わえるようです。
山道を奥へ進むと山形屋の駐車場が見えてきました。バイカーに優しい屋根付き駐車場もあります。ここから山形屋までは徒歩1~2分程で、さらに細い山道を下っていきます。
駐車場は山形屋旅館の目の前もありますが、2台分しかありません(宿泊者専用)。狭い道を下ってからUターンするのは大変なので、夕方到着なら最初から上の第2・第3駐車場に止めた方が良いです。
山形屋へ続く一本の坂道。車一台がやっと通れる狭さです。周囲に歩いていける観光スポットや飲食店などはありません。
山形屋旅館は2階建ての2棟があり、全部で10客室。右側がメインの建物で、左側が湯治棟(今回宿泊)です。
温泉について
湯岐温泉は400年以上の歴史がある「中風の湯」と称された湯治場で、昨今ではぐっすり眠れる&心身ともにリラックスできる温泉として知られています。
泉質はぬるめのアルカリ性単純温泉で、浴槽は2つ。花崗岩の割れ目から自噴する「天然岩風呂」と、ホースから源泉が注がれる無料の「貸切風呂」があります。宿泊すれば滞在中はずっと入浴可能です。
天然岩風呂は基本的に混浴ですが、女性は無料レンタルの湯あみ着を利用して入浴が可能(写真付きで後述)で、バスタオル巻きは不可。女性専用時間は一日3回もあります(繁忙期は回数が増える傾向)。
日帰り入浴時でも女性専用時間があり、おまけに貸切風呂も利用できるので、女性にやさしい湯治宿だと思います。
天然岩風呂
天然岩風呂は旅館から徒歩1分もかからない目と鼻の先にあります。山形屋が管理する共同浴場でもあるそうで、女性専用時間のみ「女湯」と書かれた赤いのれんが掛けられます。
入り口横にはトイレやベンチも。日帰りでも利用しやすいですね。
引き戸を開けると2畳程の洗面スペースがあり、ドライヤー1台と円柱型の脱水機(女性湯あみ着用)が置いてあります。
下駄箱の半分は鍵付き。少量の貴重品ならロッカーとして利用できます。
通路のような細長い脱衣スペース。一番奥は女性専用になっていて、アコーディオンカーテンを閉めれば安心して着替えられます。
浴槽は6~7人程が入れる大きさ。浴槽の底がスカイブルーに塗られているので分かりづらいですが、お湯の色は無色透明です。
自噴する花崗岩を浴槽で覆った感じになっていて、岩盤周囲の底はデコボコしていて急に深くなる箇所もあります。実際、ゆっくり座って入れる面積は1/3のスペースくらいです。
写真右側の小さな浴槽は上がり湯で、こちらも源泉が使われています。
自噴しているのはこの辺りの2ヵ所。小さな気泡がぷくぷく浮上していて、視覚でも体感でもわかります。縦にくっきり切れ込みがある部分は木組みをはめ込んで浴槽にしていた時代の跡だそうです。
源泉温度は39.3℃。ぬる湯というほど温度は低くありませんが、長湯向きのアルカリ単純温泉です。少しとろみがあるやわらかい質感で、ほんのり漂う石膏臭のような香りが心地良かったです。
鮮度抜群の自噴泉にできるだけ長く浸かっていたかったのですが、途中から汗ばんできて30分程度が限界でした。身体の芯からじわじわ温まり、湯上りは汗が止まらないほど。最初は20分くらいが良いのかも。
すぐ横にある上がり湯にも入ってみました。一人分サイズです。
上がり湯から見るとこんな感じ。
自噴泉の浴槽は足元が不安定なので、写真のように岩盤に沿って手すりが設置されています。この手すりにつかまったり、頭をのせたりして寝転んだ状態でも入れるのが贅沢でした。
浴室の隅には一人分の洗い場&シャワーも。シャンプー、コンディショナー、洗顔フォームが置いてあります。
シャワーからはなんと源泉が出てきます。
入浴しながら時計が見えるので、女性専用時間でもギリギリまでゆっくりできます。ちなみに、写真右側の引き戸は女性専用の脱衣スペース。入浴客から見えないよう配慮されています。
こちらは、宿専用のレンタル湯あみ着。厚手のフェルト素材で、試しに着てみたところ膝上10㎝くらいでした(どちらかというと私は小柄体形)。念のため借りたものの、3回ある女性専用時間にすべて入浴して満足したため、一回も使いませんでした。
湯あみ着は宿泊者は無料、日帰り入浴客は400円でレンタルできます。販売もしているんですね。
貸切風呂
源泉を使用した貸切風呂は宿泊者なら無料で利用できます(日帰りは1回45分1,000円)。基本的には予約不要で空いていれば使えるようですが、私が滞在したときはチェックインの順番で好きな時間を選ぶシステムでした。
貸切風呂は私が宿泊した湯治棟にあります。
利用する際はボードを「入浴中」にします。内側から鍵を掛けられるので安心。
私が滞在したときの貸切風呂時間表。夕食時間を除く14:00~22:10まで、一部屋あたり40分利用できるタイムスケジュールでした。22:15以降や翌朝は空いていれば自由に使えます。
2畳程の狭い脱衣所。洗面台はありません。
脱衣カゴが置かれた棚の上にはドライヤーが一台ありました。
貸切風呂は3人程が入れるサイズ。洗い場は一つで、天然岩風呂と同じシャンプー類も置いてあります。
源泉は天然岩風呂と異なる混合泉ですが、温泉分析表を見る限り成分はおぼ同じ。源泉温度39.9℃のアルカリ性単純温泉です。肌にまとわりつくような優しい質感で、39℃くらいで適温でした。
ホースを持ち上げてみると、勢いよく源泉が出ていました。
景色はイマイチですが、身体を洗うなら岩風呂よりこちらがおすすめです。岩風呂は浴槽と洗い場が近くて、やや利用しにくい感じだったので。
貸切風呂のある湯治棟入り口付近にはちょっとした休憩スペースもあります。夜の入浴後、私はこちらでひと休みしました。周囲が静かで風が気持ちよかったです。
感想まとめ
まず、想像以上に天然岩風呂の泉質が良く、居心地が良かったです。本当にまた行きたい湯治宿。なめらかな浴感とじわじわ温まるぬるめの源泉が忘れられません。
混浴でも女性専用時間が3回あること、1万以下の湯治プランがあること、少なめという割には十分な量の食事、、、と良いポイントあげればキリがないほどです。
静かな環境とアットホームな接客にも癒されるコスパ抜群の湯治宿だと思います。貴重な足元湧出なので、間違いなく遠くからでも訪れる価値ある温泉です。
湯岐温泉「山形屋旅館」の基本情報
住所 | 福島県東白川郡塙町大字湯岐字湯岐31 |
電話番号 | 0247-43-1370 |
定休日 | 不明 |
日帰り入浴時間 | 岩風呂:8:00~19:00(最終受付18:00)、貸切風呂:10:00~15:00(最終受付14:00) |
日帰り入浴料金 | 岩風呂:1回1時間500円、貸切風呂:1回45分1,000円、日帰り入浴&個室休憩:2,200円(10:00~16:00)、日帰り入浴&個室休憩&軽食:2,750円(10:00~16:00) |